こんにちは、保育園看護師の大石朱里です。暑さも落ち着き、気温の変化に体が追い付かず体調を崩しやすい季節の変わり目になりました。脱ぎ着のしやすい服などを上手に利用し、体調の管理を行いましょう。
今回のコラムは、これからの時期に流行するインフルエンザについてです。10月からは予防接種も始まります。インフルエンザの特徴や自宅療養、登園の目安についてお伝えしたいと思います。
インフルエンザとは
インフルエンザとは、インフルエンザウイルスへの感染を原因に発症します。インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型の3種類があり、このうち冬季に流行する季節性インフルエンザはA型とB型によるものです。
また、季節性インフルエンザの場合、流行前にワクチンを接種することによって、発症する可能性を下げたり、発症した場合の重症化を予防したりできます。
予防接種のベストタイミングはいつ?
10月からインフルエンザの予防接種が始まります。インフルエンザは例年12∼4月頃に流行し、1月末∼3月上旬に流行のピークを迎えます。十分な抗体ができるまでには2回目の接種日から2週間以上かかり、効果は 5ヶ月程度持続します。つまり11月頃の接種がベストタイミングなのです。
これはインフルエンザ?
突然の40℃近い高熱、咳や痰、鼻水、くしゃみ、機嫌が悪くぐったりしているなど高熱を伴う重い風邪症状と急激な症状の悪化はインフルエンザの特徴です。大人では、全身の倦怠感や関節・筋肉痛も感じやすくとても辛いです。
インフルエンザが疑われる場合、症状が急激に悪化しないうちに医療機関への受診と検査を行い、薬を処方してもらいましょう。例え、次の日に熱が下がったとしても、薬を中断せず最後まで飲み切ることが大切です。
インフルエンザの検査では、鼻や喉の奥に綿棒を入れ検体を採取し30分ほどで結果がわかります。最適な検査時期は、発症してから12時間以降とされています。発症直後に受診しても正しく検査ができない可能性があり、医師より再受診を依頼される場合があります。
インフルエンザ自宅療養中のポイント
つらいインフルエンザ中の自宅療養の基本は、安静と水分補給です。高熱が出て食欲もあまりないため、脱水症になりやすいです。食事があまり摂れなくても、水分だけはしっかりと摂るようにしましょう。
自宅療養中にけいれんや嘔吐など、明らかな症状が見られた場合には、早急に再受診をしましょう。インフルエンザは、まれに気管支炎や中耳炎、呼吸困難や急性脳症といった命に関わる合併症を引き起こすケースがあります。
登園再開の目安
インフルエンザにかかってしまった場合の出席停止期間は、発症した後5日を経過かつ解熱後3日を経過です。インフルエンザだけでなく、他の感染症でも、感染症の流行を予防する法律・法令で「学校において予防すべき感染症」として定めています。また、日数の数え方は発症した日を0日目、翌日を1日目としています。
感染が拡大しないために…
インフルエンザは感染力が強く、集団生活の場である保育園ではすぐに広まってしまいます。生活を共にしている自宅でも同様です。お子様がインフルエンザに感染したと疑われる時や、ご家族がインフルエンザになってしまったときは、一度自宅で待機し受診をしましょう。また登園停止期間をしっかりと満たしてから再登園するようにしましょう。
もしご家族がインフルエンザに罹患されてしまった場合、通われている園に一報入れるべきかどうか、このあたりは園ごとに考え方が異なるため事前に確認しておくと良いかもしれません。 (ぺんぎん保育園では感染対策の観点から、ご家族の罹患も念のためのご報告をお願いしております)
参考文献:NIID国立感染症研究所インフルエンザとは (参考:2024.9.25)