絵本プログラムとは?
絵本を入口に、その絵本の世界を遊びとして発展させ、
絵本と現実の世界が重なる体験を提供するプログラムです。
具体的には以下の順序で、絵本をきっかけに体験が広がります。
①絵本の読みあい
活動の導入の部分です。保育士が立案した絵本の年間計画をもとに、絵本を選んで読みきかせを行います。
②活動へ発展する仕掛け
今度は絵本を離れて保育室に絵本の世界で見たものを置いて絵本と現実を重ねていきます。子ども想像する気持ちや行動を誘います。
③活動の発展
サツマイモを題材にした絵本であれば、本物のサツマイモを用意して、絵本から現実世界を繋げます。
④共感・承認
現実世界での活動の中で、「すごいね!」「出来たね!」といった言葉がけを行い、共感や承認を行います。結果ではなく子どもと”プロセス”を楽しむことを大切にします。
ここで、自己肯定感ややりぬく力などの非認知能力を培います。
⑤共有
①〜④で行った活動を絵本プログラムの「育ちのファイル」として、毎月の成長の姿を保護者の皆様と共有します。
絵本の活動記録(育ちのファイル)
1か月単位で園児事に絵本から展開した遊びの様子をまとめ、保護者の皆様にお渡しします。
- 読んだ絵本
- 遊びのねらい
- 遊びの展開の様子
- 感性、五感が刺激されている様子
- 覚えた言葉が出た様子
- 想像、表現している様子
を保育士が記載します。
保護者の皆様よりコメントを頂き卒園時にすべての記録をお渡しします。
なぜ絵本なのか?
現実の世界だけでは味わえない世界
想像の世界、好奇心と同様に、絵本の世界も無限。
子どもの生活に寄り添ったものから、現実では経験できないことまで体験できます。
言葉の響き、リズムのここちよさ、普段の会話では出会わない表現
声にだした時、耳にした時に心地よい擬音・言葉が使われています。
普段の会話には出てこない表現もあり、様々な言葉を体験することで言葉が豊かになります。
子どものこころに寄り添って描かれた絵、内容
子どもにとって理解しやすいように描かれています。
主人公に子どもが自分を同化して楽しむことができます。
読みあいを通じてうまれる応答的なやりとり
絵本の読みあいの中で生まれていく感情や行動を、絵本を読みあうもの同士で共有・共感することが信頼感・安心感・自己肯定感につながります。
絵本選びのポイント
- 子どもの成長と発達を捉えて絵本を選ぶ
- 子どもにとって色や絵、言葉などがシンプルで分かりやすいものであること
ストーリー性のあるものよりも、先に言葉の音や響き、リズムが楽しいものや心地よいもの
絵や色が複雑なものよりもシンプルで抽象的なものやきれいな色合いのもの - 季節感を楽しめるもの
その季節に合わせた絵本を選ぶ - 子どものイメージや遊びにつながりやすいもの
必ずしも遊びに繋がるようにというわけではないが、遊びへのつながりを予測しながら選ぶ - 子どもにとって身近なものであること
子どもたちがより親しみを持って楽しめるよう、生活していく中で身近なものを選ぶ