葵区上足洗・駿河区豊田の企業主導型保育園

けいれん発生時の勉強会②

こんにちは、ぺんぎん保育園の看護師服部です。春の訪れを感じるようになりましたね。今年度も残りわずかとなり、子ども達の成長を実感する毎日です。進級・卒園に向けて一日一日を大切に過ごしていきたいと思います。

さて、前回のコラムではけいれんについて取り上げさせていただきました。今回のコラムでは実際ぺんぎん保育園でけいれんが発生した際にどう行動するか、研修内容を少しご紹介いたします。ぜひご家庭でも参考にしてみてくださいね。

目次

実際にけいれんが発生!一番難しくて、一番大切なこと。

まずスタッフに周知したことは、“けいれんが発生した時、1番大切なことはスタッフが落ち着いて行動をすること”です。スタッフがパニックになると、適切な対応ができなくなってしまいます。

もちろん、初めてけいれんを見る時などは内心かなり動揺してしまうかもしれませんが、他の園児もいるため、冷静を装うよう伝えました。

ご自宅でも兄弟などがいる場合、他のお子さんも一連の光景を見てパニックになって泣いてしまう可能性があるかもしれません。ご家族が冷静に対応できれば他のお子さんも安心できるかもしれませんね。

保育園内でけいれんが発生してしまったら?

次にぺんぎん保育園内でけいれんが発生した時の対応の流れで大切なところを抜粋してご紹介させてください。

けいれんを発見したら第一発見者のスタッフは「けいれんです!!!」と叫びます。園内でけいれん自体は止めることはできませんが、他の園児の誘導などスタッフ1人では全てを対応することはできないため、まずは1人でも多くスタッフを集めます。

また「けいれんです!!」を聞いた他のスタッフは、その時の正確な時刻を確認するように伝えています。これは「何分間のけいれん発作が起こったか」を正確に把握するためです。

ご家族の中でもけいれん後に受診した際、医師に「けいれんは何分間起こったか」を聞かれた経験がある方はいませんか。

実はけいれんの原因を探る上でけいれんが何分間起こったかを把握することは、とても重要なことなのです。ご自宅などでもけいれんが起こった際には、何時何分から何分までけいれんが起こったかを把握できているのならば、ぜひ医師に伝えてみてください。

救急外来では、ご家族は動揺して「たぶん5分くらい。いや、10分くらいけいれんしていたかも・・・」と答えることが多いですが、実際は30秒から1分以内と思っているより短い場合も多くあります。

  • けいれんが起きていることを、周りのスタッフに伝える
  • 時間を確認し、けいれんが何分間起こっているかを記録する

けいれん時は嘔吐することも!

次に、けいれんが起こっている間は園児の体を横向きにして寝かせます。衣服をゆるめ、スタイ(よだれかけ)はとりましょう。

痙攣時は嘔吐することがあるため、吐いたもので気道をふさがないようにします。ウエストなどがキツい場合は服を脱がせてあげましょう。体を横向きにするのは、上を向いて寝かせると嘔吐したものが気道に入り窒息する恐れがあるためです。

また、けいれんを止めようとして、揺さぶったり、体を押さえたりしないようにするのもポイントです。よく、けいれんが起こったら仰向けに抱き上げて声などを掛けているご家族の様子も目にしますが、外から力を加えてもけいれんは絶対止まりませんし、逆にアザなどになってしまう可能性があります。

  • けいれん中は、体を横向きにして寝かせる
  • けいれん中は、体を揺さぶったり押さえたりしない

けいれん後の受診って必要?

2人並んでいる医師

よく質問の受けるけいれん時の受診に関してですが、けいれんが5分以上継続する場合は必ず救急車を呼ぶようにしましょう。また、5分以内に痙攣が収まったとしても、初回の痙攣であればすぐに医療機関を受診しましょう。 数分でけいれんが収まった場合は、必ずしも救急車で受診する必要はありませんが何が原因で痙攣が起きたのかを調べるためにも受診に行きましょう。

5分以上けいれんが継続している場合は、病院で注射などをして止めることが必要な場合が多く、自然にけいれんが止まらない場合もあるでしょう。

またそのけいれんが起こっている間は呼吸が十分でないため、救急車では酸素投与など処置を行ってもらえることがあります。かかりつけ医があれば、受診が必要かを相談しても良いと思います。

子どもを抱っこする看護師

いかがでしたでしょうか。ぺんぎん保育園では複数名の看護師が勤務している特性を活かし、看護師から保育士への勉強会などを開いていざという時の為に研修を行っており、今後も定期的に開催していく予定です。

もしご家庭内でもいざという時どうすればいいか、聞きたいことがあればいつでも看護師にご相談くださいね。看護師が説明させて頂きます。

この記事を書いた人

東京の総合病院の救命救急センターで5年間看護師として従事。ERやICUにて子どもの病気や怪我を多く経験。結婚を機に静岡へ移住、アクタガワへ入社。救命救急での経験を活かし、常に緊急時の対応を想定しながら仕事に励んでいる。

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