こんにちは、ぺんぎん保育園看護師の大石です。今年も瞬く間に過ぎていき、あっという間に一年の最後の月になりました。寒さが一段と厳しくなってきたこの頃、うんと冷える日もあります。子ども達には今年最後まで元気いっぱい過ごしてほしいです。
今回のコラムでは、ぺんぎん保育園職員が行っている救命救急講習についてご紹介します。
ぺんぎん保育園の救命講習の取り組み
ぺんぎん保育園では毎年地域の消防士の方にお越しいただき、救命講習を受講しています。しかし、0歳から2歳児に特化した、よりリアリティのある研修を受講するため、今回初の試みとして静岡県立こども病院の医師、認定看護師の講師をお招きし、講習を行っていただきました。
来年度からは、ぺんぎん保育園に所属する全職員が、職種を問わず救命講習を必ず受講できることを目標としています。そのため年2回の実施と、講義内容を幅広く受講できるよう、より多くの講師の先生と関わりを持てたらと考えております。
心肺蘇生法講習の様子
乳児と幼児の人形モデルを用いて、実際に心肺蘇生法の練習を行いました。乳幼児は大人よりも早く心臓が動いています。実際にどの程度の速さで心肺蘇生を行うのか、1分間に100回ほどのテンポでメトロノームを鳴らして体感しました。実際の速さで、しばらく心肺蘇生をしていると、大人の女性はあっという間に体力が奪われてしまいます。
AEDの使用方法
保育園や公共施設に設置されている自動体外式除細動器(AED)は、自動音声案内があり、誰でも簡単に使用可能となっていますが、実際に目の前で意識のない人が倒れていた場合、冷静な行動はとれません。訓練を重ね、AED作動の流れを学び、自らが主体となって行動できるようにしておきたいです。
窒息について
乳幼児で多い死亡事故が、窒息です。画像は、こどもの口の大きさが身近なものでトイレットペーパーの芯とほぼ同じであることを示しています。また、今回の講習では実際に講師の先生が誤飲チェッカーを持ってきてくださり、職員は誤飲チェッカーを手に取り、その大きさを体感しました。
保育園内には多くの種類、様々な大きさのおもちゃが存在しています。保育室内では異年齢の関わりもあることから、月齢に合わせた玩具が適切に配置されているか注意する必要があります。また、窒息は食事中もリスクが高く、食事介助が欠かせない年齢の子どもが多く利用しているぺんぎん保育園では、食事介助の方法なども知識を更新していく必要があると思いました。今回は、実際に窒息事故があった際の窒息解除法として、上記画像の1歳未満のこどもに行う『背部叩打法』と1歳以上のこどもに行う『ハイムリック法』を学びました。
家庭でも、おもちゃの大きさの見直しをすると安心です!トイレットペーパーの芯を用いて試してみましょう。
シミュレーション
最後に、実際の保育現場で園児の意識が無い状況を設定し、シミュレーションを行いました。今回の状況設定は、まず0歳児クラスの園児が倒れているのを担任(保育士)が発見します。周囲にいた保育士や看護師で、救急車要請も踏まえ救命を行うことを想定しました。実際に参加した職員からの意見では、「パニックになってしまって、自分が何をしたら良いのか分からなくなってしまう。」という声や、「消防への通報時、園の住所や電話番号などの情報を把握できていないので困った。」といった意見が聞かれました。
今回の講習を踏まえ、消防への通報時に必要な情報をまとめた用紙を保育室内に掲示したり、通報時の流れのフローチャート作成をしておくなど、緊急時に備えた対策を改めて考える機会になりました。また、災害訓練の一環として園内職員のみで緊急時の想定を考え、シミュレーションを行っていきたいと思います。