こんにちは。看護師の望月です。夏本番、強い日差しと蒸し暑さが続く毎日ですね。保育園では連日プールを行い、暑さに負けないよう涼みながら楽しんでいます。
乳幼児は大人に比べて体温調節が苦手で、熱中症のリスクが高いといわれています。保育園では水分補給や服装、遊ぶ時間帯の工夫など、さまざまな予防対策を行っています。今回は、保育園で実施している熱中症対策と、ご家庭でできるポイントをご紹介します。
乳幼児の特性と熱中症のリスク
乳幼児は大人に比べて体温調節機能が未発達で、暑さの影響を受けやすいという特徴があります。特に以下の理由から、夏の時期は熱中症のリスクが高まります。
- 体温調節機能の未熟さ
乳幼児は発汗による体温調整が十分にできません。また、体表面積が大きく代謝が活発なため、体温が短時間で上昇しやすい傾向があります。 - 身長の低さによる熱環境の影響
地面に近い位置にいるため、アスファルトや砂場からの照り返しを強く受けます。真夏の地表付近は、大人の頭の高さよりも数度高いことも珍しくありません。 - 自覚症状を伝えにくい
「のどが渇いた」「気分が悪い」などの不調を言葉で伝えることが難しく、発見が遅れがちです。顔色や行動の変化から早期に察知する必要があります。 - 遊びに夢中になりやすい
戸外遊びや水遊びの楽しさから、水分補給や休憩を忘れてしまうことが多く、気づかぬうちに体温が上がってしまうことがあります。
保育園での主な予防対策
暑さ指数における活動指針
暑さ指数計で屋外での暑さ指数を測定し、数値に合わせ活動方法や水分補給のタイミングを決めています。プール活動の場合は日陰で、暑さ指数に合わせた頻度で定期的な水分補給を行っています。散歩の場合は、散歩前と散歩先に到着したら水分補給を徹底しています。
保健教室による園児への意識づけ
「保健教室」 とは、子どもたちの健やかな成長を支えるために、看護師がテーマを考え月に1回行っている活動です。毎日の生活で気をつけたい健康習慣や病気予防のポイントをお伝えしています。7月は熱中症についての保健教室を行いました。その内容について、ご紹介します。
基本的な予防行動を身につける
「のどが渇く前に水を飲む」「帽子をかぶる」「日陰で休む」など、日常生活の中で自分でできる予防行動を学び、習慣化します。
体調の変化に気づく力を育む
「あつい」「くらくらする」など、自分の感覚や体の変化を保育者に伝えることを促します。
楽しみながら学ぶ
絵本・紙芝居・体験型ゲームを通して、熱中症予防を身近で楽しいテーマとして理解できるように努めています。
万一の対応

保育園では日頃から予防対策を徹底していますが、どれだけ注意をしていても、熱中症は思わぬタイミングで起こってしまうことがあります。そのような場合に備えて、園ではあらかじめ対応の流れを整えています。
万一熱中症が疑われるときには、速やかに涼しい場所へ移動し、水分補給や体を冷やす処置を行いながら、保護者へのご連絡と医療機関への受診判断を行います。必要に応じて経口補水液での水分補給も実施し、子どもたちの安全を最優先に対応いたします。
ご家庭でできる熱中症予防の工夫

園での取り組みとあわせて、ご家庭でもちょっとした工夫をしていただくことで、子どもたちはより安心して夏を過ごすことができます。日常の中で取り入れやすい方法をいくつかご紹介します。
朝の体調をチェック
「元気に目覚めたかな?」「食欲はあるかな?」など、毎朝の体調を観察してあげましょう。少しの不調も、熱中症や体調変化のサインになることがあります。
睡眠と朝ごはんで元気な一日を
十分な睡眠と朝食は、体温調節の力を支えます。水分を含む果物や汁物を取り入れるのもおすすめです。
水分をこまめに
登園前にコップ一杯のお水や麦茶を飲む習慣をつけてあげましょう。水やお茶は糖分や塩分が含まれていないため、日常の水分補給として安心です。
涼しく過ごせる服装を
通気性のよい服装や、汗を吸う肌着は体温の上昇を防ぎます。汗をかいたら着替えることが熱中症予防につながるので、保育園に着替えのストックを多めに準備していただけると安心です。
声かけで習慣づけ
「遊ぶ前にお水を飲もうね」「帽子をかぶって出かけようね」といった声かけを繰り返すことで、子ども自身が自然に行動できるようになります。
園への情報共有
「昨夜は眠りが浅かった」「今朝は少し元気がない」など、ご家庭で気づいたことを連絡帳に入力していただけると助かります。どんなことでも遠慮なく教えていただければ、園でのサポートにつながります。
まとめ
今回のコラムは保育園での熱中症対策について紹介するコラムでした。いかがでしたでしょうか。保育園では、子どもたちに季節を感じてもらいながら、日々の保育を行っています。この時期は、暑さと隣り合わせになるため、保育園での熱中症予防を日々考えています。お家でも熱中症対策や、普段からの体調管理を行い、夏を楽しく過ごしましょう。