葵区上足洗・駿河区豊田の企業主導型保育園

【転倒・転落】保育園看護師が解説する子どもの事故

保育園看護師の朝比奈です。日中暖かく感じる日も時折あり、春の訪れを感じています。さて、今回も子どもの事故について解説していきたいと思います。子どもは良く動きますが、生理学的に頭が大きいため、バランスを崩しやすく、転倒してしまう事がよくあります。また、子どもの予期せぬ動きやちょっとした不注意で転落してしまうことも、しばしば見受けられます。このような事故により多く起きているのが、頭を強く打つことで起きる「頭蓋骨骨折」や「頭蓋内出血」です。これにより、残念ながら命を落としてしまう事故も多く発生しています。

目次

子どもの転倒・転落事故の特徴とは

転倒する女の子

子どもの転倒・転落事故はどのような状況で発生しているのでしょうか。発生場所は様々で、多くは以下のような場所で起こっています。
・大人用ベッドやソファからの転落
・ベビーベッドやオムツ台からの転落
・椅子やテーブルからの転落
・階段から転落、段差での転倒
・ベランダや窓からの転落

子どもの転倒転落事故の特徴
・発達の段階によって事故が起こりやすい状況や場所が変わる
・頭部から落下しやすい
・思わぬところに登ろうとしたり、いろいろな遊び方をしたりする

子どもが転倒転落を起こすとどうなる?

損傷が起きている脳

子どもは身体の大きさに対して頭が大きく、重心が高い位置にあるためバランスを崩しやすいです。また、重心が高い位置にあることから頭を打つことが多いと言われており、この頭を打つことが問題になってきます。それは頭の損傷は命に関わることが多いからです。

高い位置から転落する場合に限らず、低い位置から転落した場合でも頭を打つことで頭蓋骨が骨折したり、頭蓋内が出血したりします。頭蓋骨を骨折したり、頭蓋内出血が起こると、脳損傷のリスクが上がります。

脳は人間の生命を維持するために重要な臓器です。脳損傷が起こると生命維持が出来なくなることがあり、非常に危険な状態になります。そのため、危険な状態になる前に気づき、一刻も早い治療介入が必要になってきます。つぎの項目で、頭を打った時はどのような症状に気をつけて観察すればよいのか解説していきたいと思います。

頭を打った後のケア

解説する看護師

すぐに病院に連れて行くべき状態
・繰り返し吐く
・呼びかけても反応しない
・手足の動きがいつもと違う、左右差がある
・瞳孔の大きさが左右で違う
・打ったところが陥没している、出血がひどい

上記に当てはまらない場合
・当日はお風呂に入らず、安静にして様子を見る
(お風呂に入ると血行がよくなり、出血が助長されるため症状が悪化する)
・症状がでてきたら病院に連れて行く
・夜寝ているときも、寝返りをうつか、声掛けに反応するかなど様子を伺う

この記事を書いた人

静岡市出身。子ども病院での勤務中に、子どもに対して予防的な関わりを行いたいと思ったこと、また有事の際に、小児集中治療科勤務の経験を子ども達のために発揮したいと思ったことが保育園勤務を志したきっかけ。子ども達の笑顔に毎日癒されている。

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