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サーキット遊びについて、理学療法士が解説

アクタガワの理学療法士、鈴木三恵です。ぺんぎん保育園には、月2回ほど運動遊びのアドバイザーとして勤務しています。今回は、ぺんぎん保育園の運動遊びの主軸にもなっている「サーキット遊び」について改めてご紹介します。

目次

繰り返し遊ぶことで経験値を積む

「サーキット遊び」は、コース上にいろいろな運動課題を設け、スタートとゴールを同じ位置にすることで、繰り返し行うことができる回路状の遊びです。コースの中で、ジャンプや跨ぎ動作、平均台、坂道、トンネルなどの様々な運動を行うので、遊びながら自然と体力や運動能力が高まっていきます。また、同じコースを繰り返すことにより、さっきはできなかった課題がクリアできたり、違う方法を思いついたり、試してみたりと、運動学習に必要な「トライ&エラー」の機会を得ることができるのです。

トライ&エラー:挑戦と失敗の大切さ

子ども達は一つの課題に直面した時、膨大な環境情報(目の前の障害物の形や大きさ、色、距離、幅など)と自分の身体情報(体の大きさ、手の長さ、歩幅、今まで体を動かした時の記憶など)を頭の中で巡らせ、課題をクリアするための最適な方法を探し出そうとします。

しかし、初めてチャレンジする課題に一回で成功するばかりではありません。勿論、一回で成功して感覚を掴めることもあるでしょう。ですが多くの場合は失敗を繰り返す中で、バランスの取り方や力加減、距離感の調節などの身体の使い方を、意識的にも無意識的にも学んでいきます。こうした運動学習を繰り返すことで、子ども達の身体感覚は磨かれ、より高度なパフォーマンスができるようになっていくのです。

つまり「繰り返し挑戦することで上達する」のは、こうしたトライ&エラーによる運動学習の結果ということです。

多様な感覚を経験できる

人間は、実に様々な感覚を脳で知覚しながら、運動を調節しています。中でも「触覚」「バランス感覚(前庭感覚)」「固有感覚(運動感覚)」、この3つの感覚を適切に働かせることで、からだ全体が協調して動けるようになります。

「前庭感覚(バランス感覚)」は、重力に対してまっすぐに立って姿勢を維持したり、からだのバランスを取ったりする感覚です。「固有感覚(運動感覚)」は、筋肉や関節の中で得る感覚を総称したものです。例えば、私達は目を閉じていても自分の肘がどれくらい曲がっているかを感じることができます。こうした筋肉や関節の感覚を感知し、力の加減をする運動感覚のことです。

回転したり、上下、前後などに動いたりして、速度や揺れを感じたり、感覚を刺激する運動あそびを多く取り入れたりすると、「前庭感覚」や「固有感覚」の統合を促します。 こうした感覚を、サーキット遊びでは多様に取り入れることが可能です。ふわふわとしたマットの触感や、その上を歩く時の筋肉の感覚、平均台を渡るバランス感覚や、トンネルをくぐる時の身体の使い方、体を小さく丸める時の関節の感覚など、コースを一周する中で多くの感覚を活用する場面に遭遇し、その経験を学習することができるのです。

まとめ

サーキット遊びは、トライ&エラーを繰り返す中で様々な感覚を体験し、運動学習が効率よく進んでいく効果が期待できます。また、サーキットは子どもたちの運動能力に応じて、コースを作り替えることもできるため、年齢や発達段階、体力レベルに合ったコースで楽しく運動遊びを経験することができます。 ぺんぎん保育園では、こうしたサーキット遊びを主軸に運動プログラムを展開し、子ども達の心身の発達をサポートしています。

この記事を書いた人

1987年、静岡県磐田市出身。10代でヘルパー1級資格を取得して介護現場を経験。その中で感じた疑問から理学療法士を志す。資格取得後、アメリカ発祥のコミュニケーションアプローチ方法「NHA(The Nurtured Heart Approach)」の認定アドバンストレーナーの資格取得やドラマワークによるセラピー要素の活用、カウンセリングスキルの習得、児童福祉分野のボランティア活動等、身体と心のケアの両立に向けた活動を行ってきた。趣味は演劇と愛猫のブラッシング。

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