ぺんぎん保育園管理栄養士の山内です。新年度が始まり1か月ほど経過しました。子どもたちも保育園で過ごす1日のリズムがついてきたようで、先生やお友達と楽しんで過ごしている様子がみられます。「まだ遊びたい」という気持ちが強く、給食にスムーズに切り替えられないこともある月齢の子どもたちですが、食事の時間も落ち着いた環境の中でお互いが気持ちよく楽しく過ごせるように食事マナーも身につけていきたいと思っています。
食事マナーというと、お箸やスプーン・フォークの持ち方などをイメージして、3歳頃からの話だと思われる方も多いかもしれません。しかし、食事マナーを教えていくタイミングとしては、3歳頃よりもずっと早く、離乳食を開始する時期から始めていくのがおすすめです。離乳食開始前の授乳期は、抱っこされながらゆったりと安心感に包まれた中でミルクを飲みますが、離乳食では座って食事をするため、まずは食事は座って食べるものということから教えていきます。
食事の前に ~食事に集中できる環境に整えましょう~
- トイレは済ませていますか?
- 手洗いはできていますか?
食事の時に手が汚れていたり、途中でトイレに立つのは衛生的な面からもよいことではありません。周りの人を不快な気分にさせてしまうこともあります。食事前にトイレや手洗いは済ませ、衛生的な環境で食事を楽しみましょう。
挨拶 ~感謝の心を持てるようになります~
「いただきます」「ごちそうさま」が言えますか?
小さいうちは意味が分からないかもしれませんが、食材そのものや食事を作ってくれた人への感謝が込められた言葉です。大人がお手本になり繰り返すうちに、食事の前後には挨拶があるということを学んでいきます。一緒に手を合わせて、挨拶ができるようにしていきましょう。
姿勢 ~見た目の美しさだけでなく、消化吸収もよくなります~
- 椅子に座った時に、テーブルが胸とおへその間にくるようになっていますか?
- おなかとテーブルの間は、握りこぶし1個分程度あいていますか?
- 背筋をまっすぐにして、きちんと座っていますか?
- 椅子には深く腰掛けていますか?
- 床に足はついていますか?
座って食べることは基本ですが、小さいうちはなかなか集中力が続かないので、どうしても途中で席を立ってうろうろしてしまうこともあります。正しい姿勢で座ることで少しでも食事に集中できるようにしましょう。姿勢が悪い場合、テーブルや椅子の高さが合っていない可能性があります。椅子の高さはクッションや厚い雑誌など、足元もぶらぶらする場合は踏み台などを入れて調節できます。
食べ方 ~よく噛むことでおいしさを味わえます~
- ごはんとおかずを順番に食べていますか?
- 肘をテーブルについて食べていませんか?
- かきこんで食べていませんか?
- よく噛んで食べていますか?
食事のマナーを子どもに教えるためには、一緒に食事をする大人が正しい見本を見せることが一番です。家庭でも私たち大人が食事のマナーを意識すれば、子どもも自然と身についていくはずです。ただ、マナーを教えていくときに気をつけたいことがあります。それは、注意しすぎないことです。子どもは注意されてばかりいると食事が楽しくなくなってしまいます。いけないということはきちんと伝え、上手にできた時にはたくさんほめてあげましょう。
食事の時間はただ食べるだけの時間ではなく、コミュニケーションや社会性を学ぶ時間でもあります。毎日3回ある食事の時間で繰り返し伝える事ができます。子どもは、今日できなかったことでも明日にはできるようになっていたりするので、焦らず時間をかけて身につけていけば良いでしょう。
ぺんぎん保育園でも、月齢に合わせた食事マナーが身につくようにサポートしています。『食べる』という行為に関心を持ち、毎日の食生活からマナーを意識するように心掛けたいものです。乳幼児期の食事の時間に身につけたことが食事以外の様々な場面でも役立つようになると思います。