ぺんぎん保育園管理栄養士の山内です。立春が過ぎ暦のうえでは春を迎えましたが、空気が乾燥し気温も低い日がまだあります。インフルエンザや冬の風邪に気をつけながら過ごす日々ですので、手洗い、うがい、十分な休養や免疫力を高めるためのバランスのよい食事などで予防することが大切です。しかし、気をつけていても病気にかかってしまうことはあります。こんな時、どのような食事をとればいいのでしょうか。今回は体調不良のときの子どもの食事についてお伝えします。
子どもの発熱
まずは、食欲があるかどうかで判断してください。もし食欲がない場合は、無理に食べさせる必要はありません。ただ、発熱時は脱水しやすい状態なので、水分補給はこまめにするように注意してください。絶食などで食事をしていない場合は、胃腸に負担のかからないように重湯でやわらかさを調節したおかゆや、やわらかめのご飯から始めるようにしましょう。
また、発熱時はエネルギーと水分を多く消耗します。とくに、ビタミンB群、ビタミンC、タンパク質などの栄養素は消耗しやすいので、無理のない範囲で摂取したい栄養素です。
・煮込みうどん
・茶わん蒸し
・豆腐(みそ汁やスープ、湯豆腐にするもおすすめ)
・りんご(すりおろした方が消化によい)
・ヨーグルト(砂糖などの糖分は控えめに、果物を混ぜて一緒に食べるのがおすすめ)
・白身魚(タラなど脂肪分の少ないもの)
・やわらかくした野菜(スープなどで体も温めるとよい)
子どもの嘔吐や下痢
嘔吐や下痢は、胃腸と関係しているので、食事には注意が必要です。まずは胃腸に負担をかけないように心掛けます。油脂分の多いものや香辛料、炭酸飲料など、腸に刺激が強いものは避けましょう。特に吐き気が強い場合は、無理に飲ませず様子をみて、落ち着いてから少しずつ水分を補給します。オレンジなど柑橘系のジュースや牛乳は避け、白湯や経口補水液(イオン飲料)がおすすめです。冷たい飲み物は一気に飲まないように気を付けましょう。症状が落ち着いてきたら消化に良いものを選びながら、2〜3日かけて徐々に普段の食事に戻していきます。
・お粥(重湯)
・やわらかく煮たうどんやそうめん(細かく刻むとよい)
・野菜スープ、ポタージュ(やわらかく煮込んだ野菜)
・豆腐
・白身魚(やわらかく煮たもの)
子どものひどい咳
熱すぎ、冷たすぎの飲み物や、辛いもの、塩辛いものは避けましょう。また、咳き込んで吐いてしまう場合は、食事の量を調節し消化の良いものを心掛けるなど様子を見ながら工夫してあげましょう。喉の粘膜の補修を助けるビタミンCを多く含むカリンやキンカンなどは、昔から咳止めや喉の炎症を抑えるための民間療法として使われています。そのほか、粘り気があり保湿作用や殺菌効果の高いハチミツもおすすめです。スライスしたカリンやキンカンとハチミツを合わせてお湯に溶かすと簡単に飲み物が作れます。ただし、ボツリヌス症の恐れがあるので、1歳未満の乳児にはハチミツは与えないようにしてください。
おすすめの食べ物
・ハチミツ大根 大根には炎症を抑え、粘膜を保護する成分が含まれています。角切りまたはいちょう切りにした大根を保存容器に入れ全体にハチミツをかけて常温で3時間ほど置くとシロップができます。そのシロップをそのまま舐めたりお湯や水で割ったりして飲むと喉が潤って咳が和らぎます。シロップを保存する場合は大根を取り出しましょう。
まとめ
体調不良の時、お子さんが苦しそうにしている姿をみると早く良くなってほしいと強く思います。お子さんの様子をよくみて、食べられるものから栄養をとって少しでも早く元気になってもらいたいです。体調管理に気をつけながら残りの冬を乗り切りましょう。