端午の節句がある5月、お散歩に出かけると、たくさん見えるこいのぼりに子どもたちは心躍らせていました。今回は、子どもたちと読んだ「端午の節句」の絵本と、保育園で行った「こどもの日の集い」の様子をご紹介します。
絵本の紹介
こいのぼりくんがお空を散歩していると「こいのぼりくーん。のせてー」とねこちゃん。ところが、ねこちゃんがあんまりはしゃぐので、こいのぼりくんは落ちて木の枝にひっかかってしましました。さるくんも駆けつけて「よいしょ、よいしょ」と助け出し…。巻末には端午の節句の解説もついています。子どもたちが伝統行事へ興味を持つきっかけになる、5月にぴったりの絵本です。
絵本の読みあい
子どもたちは、絵本のこいのぼりを見ると、「お散歩で見たこいのぼりと同じだね」「ぼくのお家にもあるんだ」と夢中で話していました。「やねより~たかい~♪」と歌いだす子もいました。自分で見たり歌ったりした経験が、絵本のこいのぼりと繋がったようでした。子どもたちの身近にあるこいのぼりは、絵本の世界へ繋がりやすかったようです。
こどもの日の集いの様子
絵本でこどもの日について知り、興味を持った子どもたちと一緒に「こどもの日の集い」を行いました。集いでは、こどもの日についてのお話、こいのぼりバッグの製作、宝探しを楽しみました。
こどもの日についてのお話
端午の節句の由来やこいのぼり、鎧兜、柏餅の意味についてのお話は難しいようでしたが、0~2歳児の全員が真剣な表情で聞いてくれました。「こいのぼりってカッコイイね」「かぶと、ぼくのお家にも飾ってあるよ」「柏餅食べてみたいな」と、思い思いの感想を聞くことができました。
こいのぼりバッグ製作
牛乳パックでできたこいのぼりの形をしたバッグを用意しました。受け取った子どもたちは、自分だけのこいのぼりを手にして嬉しそうにしてくれました。飾りつけは、クラスごとに手先の発達に合わせた方法で行いました。
2歳児クラス
2歳児クラスの子どもたちは、千代紙を小さくちぎってから、糊をつけたこいのぼりバッグに飾り付けました。千代紙は、子どもたちにとっては少し固いため、ちぎるのに苦戦している子もいましたが、小さくちぎろうとみんなで協力して頑張っていました。貼り付ける時には、両手いっぱいに千代紙を持ってこいのぼりに乗せる子がいる一方で、1枚ずつ指で摘まんで貼り付けている子もいました。製作の様子から、1人ひとりの個性を感じることができました。
1歳児クラス
1歳児クラスの子どもたちは、ペットボトルのキャップをスタンプにして、こいのぼりに模様をつけました。ペットボトルのキャップをまじまじと見ていました。最初は保育者と一緒に、慎重な様子でスタンプしていましたが、慣れてくると楽しそうな笑顔で、1人でスタンプすることができました。
0歳児クラス
0歳児クラスの子は、インクのついた手でこいのぼりバッグを触って模様をつけました。手にインクをつける時に触れるスポンジの感触や、インクのついた手を不思議に感じたようで、じーっと見つめてみたり、手を叩いたりしていました。
宝探し
保育室の中に隠された折り紙のこいのぼり、兜、柏餅を見つける宝探しをしました。自分で作ったこいのぼりバッグを持ちながら、壁や扉、棚、玩具の中を一生懸命に探していました。「どこかな、出ておいで」と言いながら、初めて挑戦する宝探しを楽しんでくれた様子でした。
宝探しが終わると、見つけた折り紙の兜を頭に乗せたり、柏餅を食べる真似をして遊んだり、お宝の折り紙で遊びを広げて楽しんでいました。
保育士のコメント
春のお散歩に出かけると、こいのぼりを目にすることが多いです。お家に飾ってある子もいて、絵本を読む前からこいのぼりに興味津々な子どもたちでした。大好きなこいのぼりの絵本は、より親しみを持って楽しめたようです。
絵本を読んでからお散歩にでかけると、「絵本みたいにこいのぼりさん飛んでこないかな、私も乗りたいな」「あの木にこいのぼりさん引っかかっちゃうかも。絵本でも引っかかってたから!」と、絵本を思い出しながらお話が広がっていきました。
絵本から広がる、子どもたちの想像の世界のお話は、奇想天外な発想で聞いている保育士も楽しくなりました。今後も子どもたちの想像が広がるような絵本を選び、子どもたちと楽しく読んでいこうと思います。