こんにちは、保育園看護師の望月です。梅雨の蒸し暑い日々が続き、夏本番も迫り始めています。夏風邪や体調を崩しやすくなる時季です。今回は、子どもたちの健康保持と感染症予防について、実際に保育園で行っている取り組みを紹介していきます。
ぺんぎん保育園での取り組み
健康保持の取り組み
①保健教室
子どもたちに楽しく健康を知ってもらうために、毎月保健教室を行っています。その月にちなんだテーマや、子どもたちが健康とは何かを学べるテーマ、感染予防に繋がるテーマなどを題材にし、看護師からの一方的な講義ではなく、五感を使った参加型で行っています。
②日々の健康観察と管理
ぺんぎん保育園では、毎日登園時と降園前の1日2回、体温測定を行っています。登園時には保育士と看護師で受け入れを行い、保護者からの聞き取りや子どもの様子から体調を把握します。また、排便時には、看護師が便性状やにおい・回数を観察し、保育者間で共有を行います。普段の様子と違う園児は、特に注意して観察をしたり、お散歩は控え室内遊びにしたりと、園児の事をよく知っている保育士と看護師の目線で健康観察と健康管理を行っています。
感染症予防の取り組み
①手洗いの徹底
園児は1日を通し、手洗いを徹底して行っています。トイレの後や散歩の後、食事の前等、毎日同じタイミングで手洗いを実施しているため習慣になっており、手洗いのタイミングで自ら水道へ行く園児の姿も見られます。手洗いの際には、保育士や看護師が子どもたちに声掛けをしたり、手洗いの歌を歌ったりして楽しく取り組めるよう工夫をしています。また、保健教室でも手洗いをテーマに取り上げ、年間を通して手洗いの大切さを学んでいます。
②環境衛生
感染症予防で特に大切なことのひとつである環境衛生は、常時行っています。毎日、テルロンブリーチを使用した園内の清掃、おもちゃの消毒、室温や湿度の管理、換気等、園児が過ごしやすい清潔な環境作りを心掛けています。
【保育室環境のめやす】
室温:夏 26~28℃、冬 20~23℃
湿度:60%
③体調不良児の対応
当園は「体調不良児対応型保育」を行っています。登園後に体調が優れなくなってしまった園児を、保育活動中の園児とは別室で看護師が対応することが可能です。症状により感染症の可能性を考え、病院受診をお願いさせていただくため、電話で状況を伝えお迎えを依頼しています。お迎えまでの時間は、園内で感染症が広がらないよう、体調不良の園児は別室で看護師と安静に過ごし、そのほかの園児は保育活動が継続できるようになっています。
まとめ
今回のコラムはいかがだったでしょうか。子どもは体調の変化が起こりやすく、集団生活を行っている保育園では感染症の拡大も早いため、毎日の健康観察と感染症予防が大切です。小児専門病院や救急医療、感染症に携わるなど様々な職場で働いてきた看護師の経験を活かし、保育士と協力をしながら安全で安心な保育を行っていきます。