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離乳食の進め方③ 離乳後期(生後9~11ヵ月頃)

管理栄養士の山内です。穏やかな陽気のなか、屋外で過ごすのが気持ちいい季節になりましたね。

ぺんぎん保育園に4月から入園した新しいお友達。慣らし保育を経て、保育園でもお友達や先生と楽しく過ごせている様子がみられるようになってきました。天気がよく、外でたくさん遊んだ日は給食もよく食べてくれます。これからたくさんの成長がみられることが楽しみです。

さて、シリーズで紹介している離乳食の進め方ですが、今回は離乳食後期編です。

目次

離乳食中期から後期に移行する目安

ベビーチェアに上手に座る赤ちゃん

離乳食後期は、3回食となり、食事でエネルギーや栄養素をとる割合が大きくなります。離乳食中期から後期に移行する目安として、

  • 離乳食を始めて4~5ヵ月経った生後9~11ヵ月頃で1日2回食のリズムが整っている
  • 1回の離乳食で、子ども用茶碗1杯分の量を食べられる
  • 豆腐くらいの固さの食材をもぐもぐして、ごっくんと飲み込める
  • 食べ物に興味を持ち、触ったりつかんだりする

などのサインが現れるようになったらステップアップするのにちょうどいい時期です。1回の食事量が少ないという場合でも、「もぐもぐ」「ごっくん」と上手に食べられているようなら3回食に進めてもよいでしょう。少食で1回の食事量が少ない赤ちゃんでも、食事の回数を増やすことで、必要な量を補給できるようになる場合もあります。

離乳食の進め方

離乳食の進め方 後期

食事のリズムを整えるために、1日に3回、時間を決めて離乳食をあげましょう。 主食、主菜、副菜をそろえ、バランスのよい食事を心がけましょう。

3回食になるので、家族と同じ時間に食卓を囲むのも、食事の楽しみが増えて良いかもしれませんね。食べられる食材がさらに増えるので、献立を工夫しながら進めていきます。

離乳食後の母乳やミルクは赤ちゃんの授乳リズムに沿って飲ませますが、離乳食の量が増えるにしたがって離乳食後の母乳やミルクの量は減っていきます。

おすすめの食材

離乳食後期の食事

炭水化物  

米(5倍粥、軟飯)や食パン、トースト、煮込みうどん

ビタミン・ミネラル 

ごぼう、きのこ類など食物繊維が多い食材以外はほとんど使えます。やわらかく茹で、せん切りや薄切り、いちょう切りにしてカミカミしやすいようにしましょう。

タンパク質

ひき肉なら脂肪の少ない鶏肉→豚肉の順に進めましょう。魚はアジやサンマ、イワシなどの青魚も取り入れましょう。よく加熱し、粗めに切ったりほぐすようにします。ひき肉や豆腐など団子状にして手づかみしやすい形も取り入れます。

母乳育児の場合、鉄欠乏を生じやすいという報告があります。バランスの良い食事を心掛けましょう。フォローアップミルクは、牛乳に不足している鉄やビタミンなどを多く含んでいます。9ヵ月を過ぎたら使用できますが、離乳食が順調に進んでいて、体重増加も問題なければ、フォローアップミルクをあげる必要はありません。

食べさせ方は?

離乳食を食べる赤ちゃんの様子⑧

食べさせ方は、丸み(くぼみ)のあるスプーンを下くちびるにのせ、上くちびるが閉じるのを待ちます。やわらかめのものを前歯でかじりとらせる練習もしていきます。大きめのスプーンに代えて、1口量が増えるようにします。

また、安定した姿勢がとれるよう、イスからずり落ちないようにベルトで固定したり、背もたれを入れて安定させ、真っ直ぐ座ります。調整が難しい場合は、クッションやタオル、段ボールなどをかませて足裏を着けます。

手づかみ食べ

離乳食後期に入ると、手づかみ食べを始める赤ちゃんもいます。離乳食を食べさせてもらうのを嫌がったり、自分で食べたがったりする様子が見られたら、手づかみ食べが始まるサインかもしれません。食材を触ったり、自分で口に入れたりすることが、赤ちゃんの五感を刺激して成長につながります。

手づかみ食べを始めるサインが見られたら、赤ちゃんがつかみやすく食べやすいメニューを1品用意してあげましょう。一口サイズのおにぎりやパンケーキ、バナナやイチゴなどのフルーツがおすすめです。また、茹でてスティック状に切った人参や大根、さつまいもなどを用意してあげると、赤ちゃんが一口量をかじり取る練習も出来るため、おすすめです。

最初のうちは上手に食べられなくてお顔やお洋服、テーブルや床を汚してしまうことがあり片付けが大変に感じることがあるかもしれませんが、温かく見守ってあげましょう。赤ちゃんとゆったりと向き合うためにも、洗濯がしやすく、汚れてもいいスモックやエプロンを用意する、床に新聞紙を敷いておくなど片付けやすくする工夫をしておくと良いです。また、手づかみ食べがしやすいよう、座面を高めに設定して前傾姿勢が取れるようにすると良いでしょう

コップの練習も

これまで哺乳瓶やマグを使って水分補給をしていた赤ちゃんも、少しずつコップを使う練習を始めましょう。スプーンにも興味を示すのもこの頃です。コップやスプーンに興味を持ち始めたら、離乳食の時に持たせてあげましょう。最初は落としたりこぼしたりとうまく扱えないかもしれませんが、繰り返し練習することで、少しずつ上達していきます。離乳食完了期頃になると、扱いにも慣れて上手に使えるようになるでしょう。

離乳食の進み方には個人差があるので赤ちゃんの様子を見ながら焦らずすすめましょう。

この記事を書いた人

管理栄養士免許取得後、薬局や市の保健センターで健康相談、乳幼児健診フォロー、特定保健指導など担当し、赤ちゃんから高齢者まで幅広い世代に関わってきた。ぺんぎん保育園には2017年の開園時より勤務しており、日々安心で安全な給食を提供できるよう努めている。

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