こんにちは、ぺんぎん保育園の看護師妹尾(せのお)です。3月からぺんぎん保育園に勤務しています。どうぞよろしくお願いいたします。
さて、少しずつ暑さを感じる日が増えてきましたが、爽やかな風に誘われて、どこかに出かけたくなる季節になりました。ハイキングなど、美しい新緑や色とりどりの花を楽しみながら、お弁当を食べるのも良いかもしれませんね。
保育園では新年度を迎え、新しいおともだちが増え、毎日元気いっぱいに過ごしています。おもちゃや本、さまざまなものに興味津々、好奇心旺盛なこどもたちに、日頃から聞きなれている『はらぺこあおむし』のお話をもとに、新年度初めての保健教室を行いました。
導入に使用した絵本「はらぺこあおむし」
本の中であおむしは、月曜日からリンゴやオレンジを1つずつ増やしながら食べていました。でも、土曜日はお腹がぺこぺこ。無我夢中でアイスクリームやチョコレートケーキ、ペロペロキャンディーなどたくさん食べた結果、お腹を痛めることになりました。
そこで、みんなに、はらぺこあおむしのようにお腹が痛くならないような、そして、元気が出るようなお弁当を考えてもらいました。
教室の様子
2つのお弁当
見本として2つのお弁当を用意しました。「元気が出るお弁当はどっちかな?」「お腹が痛くならないお弁当どっちかな?」
①「おにぎり・たまご焼き・ブロッコリー・ソーセージ・トマト」
②「ドーナツ・アイスクリーム・ケーキ・ペロペロキャンディー・バナナ・りんご」
こどもたちは、見本のお弁当をじっくり見ながら「ブロッコリー‼」「ケーキ美味しそう」「あっ、アイスクリームも入ってる」と気づいたことを教えてくれましたが、一番大きな声は「早くお弁当作りたい‼」でした。
お弁当作り
色画用紙で作ったお弁当箱に、おにぎりやケーキ・ブロッコリー・バナナなど約20種類の食品カードから、好きなものを選んで貼ってもらいました。
0歳児は、カードを見ながらニコニコ笑顔。1歳児は、ひとつずつ手に取り、置いたり外したりしながら保育士の先生と一緒に作成。2歳のお姉さんお兄さんを真似ている様子も見られました。
2歳児は、先生の手を借りることなく、カード裏のテープ紙を外しながらお弁当箱に貼っていました。手にしたものより大きいおにぎりに気づいたり、うーんと首を傾げながら貼る場所を考えていたり、様々な様子がうかがえました。
「みんなで食べると楽しいよ」とパパとママの分も一緒に詰めたお弁当や、「大好きものいっぱい、いっぱい元気になる」とアイスクリームの入ったお弁当など、どの子たちも真剣な表情でお弁当を作りました。
完成したお弁当
元気が出るお弁当作りに夢中になって取り組んでくれたこどもたち。時間があれば、まだまだたくさん入れたかったようです。
わたしだけの、ぼくだけの、元気が出るお弁当。唯一無二のお弁当が完成しました。
こどもたちに伝えたかったこと
『はらぺこあおむし』の食べて過ぎてお腹が痛くなってしまうシーンは、暴飲暴食は避け、バランスよく食べることなどを考える機会にもなっています。幼少時から、好き嫌いせずバランスの良い食事を摂ることを心掛けたいものですが、先ずは食に関心を持つことや楽しいことを知ってもらうことが大切です。
このお話をよく知っている子どもたちは、腹ぺこだったあおむしが蝶になること、「たくさん食べて大きくなる」ことを知っています。あおむしは食べ過ぎてお腹が痛くなったけれど、たくさん食べることや好きなものを食べることは、元気になることだとこどもたちは理解しているのかもしれません。
また、「ママの分、パパの分もたくさん入れたの‼」と笑顔で話してくれた子もいました。誰と一緒に食べると元気が出るのか、こどもたちなりに理解しているのでしょうね。楽しい食事時間を過ごせるよう環境を整えるのも大切なことですね。
こどもたちの成長を願って
食に高い関心を持っていることは嬉しいことのひとつですが、食べず嫌いなど偏食の心配もあります。好き嫌いがないことは大切ですが、子どもたちにも何かしら理由があると思います。成長に伴い、自我が強くなっていくと、どのように対応するのが良いか悩ましいことも増えるでしょう。
ぺんぎん保育園では、保育士をはじめ、看護師、管理栄養士がおります。食に関するご心配事もお気軽にご相談ください。