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運動発達の豆知識~1歳までの定型発達の重要性~

こんにちは、アクタガワの理学療法士、鈴木三恵です。

ぺんぎん保育園には、月2回ほど運動遊びのアドバイザーとして勤務しています。 今回は、「運動発達の豆知識~1歳までの定型発達の重要性~」について解説していきます。

お子さんには「運動ができるようになって欲しい」と思う保護者さんも多いのではないでしょうか?

その背景には、「将来のお子さんの選択肢が増えるように」または「集団生活の中で極力コンプレックスを感じないように」といった思いがあるかもしれません。

では、運動能力を伸ばしたいと思った時、どんな風にお子さんを見ていけばいいのでしょうか?

ただ運動すればいい、というわけではありません。お子さんの動きの特徴をつかんで、効果的な運動遊びを提供してあげることが成長と運動発達を後押しします。

目次

「動きの特徴」とは?

ハイハイする赤ちゃん

「うちの子はちょっと変わったハイハイをする」「歩き方、走り方に少し違和感がある」など、お子さんの動きを見ていて思うこと、感じることはありませんか?

これらの特徴は、多くが1歳までの運動発達が色濃く反映されています。

【定型発達の目安】

・3~4ヶ月:首のすわり
・5~6ヶ月:寝返り
・7~8ヶ月:おすわり
・8~9ヶ月:ハイハイ
・10ヶ月~:つかまり立ち、つたい歩き
・12ヶ月~:歩く

このような定型発達を辿っていくお子さんが多いかと思います。これらがしっかりと獲得できていることが、その後の運動発達や運動能力に影響してくるのです。

例えば、「片足を上げてハイハイをする」というお子さんの1歳までの発達を振り返った時、

・向き癖があった
・同じ方向ばかりに寝返っていた

などが見られることが多くあります。左右の非対称は、やはり左右の身体のバランスが崩れているために起こります。つまり、同じ方ばかり向いていたり、寝返っていると、一方の手足や体幹ばかりを使う偏った身体の使い方を覚えていくことになり、ハイハイなどをし始めた時に、その非対称性が顕著に現れてくることがあるのです。

他にも、「転んだ時に手が出ない」というお子さん の1歳までの発達を振り返った時、

・おすわりするのが早かった(早くからおすわりの練習をしていた)
・ハイハイをほとんどしなかった(いざる:シャフリングベビーだった)

などが見られることがあります。転んだ時に手を出して体を支える反応は「パラシュート反応」といい、身を守るためにも大切な身体の反応です。ハイハイなどをすることで、手で体重を受ける経験を積むことで、脳内で感覚統合が進み、こうした反応が出るようになっていきます。

しかし、その経験が少なすぎてしまうと、反応が出なかったり、弱かったりして、転んだ時に手が出ず、顔をぶつけたり、怪我が多くなってしまうのです。

必要な経験を積ませてあげる

動きの特徴をつかんだら、1歳までの発達を振り返り、どんな経験が足りていなかったのかを見てみましょう。

そして、経験が足りない動きや感覚を、遊びの中にたくさん取り入れてあげることが重要です。

不足しがちな動き

・ハイハイ
 人生で乳幼児期にしか行わない動作。肩甲骨や股関節の安定性に重要な動き。
 遊びの例:トンネルくぐり、動物ごっこ(お馬さん、くまさん歩きなど)、手押し車など

不足しがちな感覚

・前庭感覚
 揺れたり、回転したり、頭の位置が大きく変わることで感じる感覚。加速度なども含まれる。
 遊びの例:ハンモックやブランコ、滑り台、トランポリンなど

いかがでしたか?
1歳を過ぎてしまったら取り戻せないわけではありません。遊びの環境設定や声掛けの工夫で、楽しみながら運動能力を育てていくことができます。

ぺんぎん保育園では、毎月理学療法士が訪問し、子どもの発達について専門視点で評価・アドバイスを行っています。お子さんの成長で気になることがあれば、お気軽にお問合せ下さい。

この記事を書いた人

1987年、静岡県磐田市出身。10代でヘルパー1級資格を取得して介護現場を経験。その中で感じた疑問から理学療法士を志す。資格取得後、アメリカ発祥のコミュニケーションアプローチ方法「NHA(The Nurtured Heart Approach)」の認定アドバンストレーナーの資格取得やドラマワークによるセラピー要素の活用、カウンセリングスキルの習得、児童福祉分野のボランティア活動等、身体と心のケアの両立に向けた活動を行ってきた。趣味は演劇と愛猫のブラッシング。

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