管理栄養士の山内です。ぺんぎん保育園の子どもたちが夢中になっている絵本のひとつに「やさいのおなか」という絵本があります。身のまわりにある野菜の断面(おなか)の絵が次々と登場する楽しい絵本で、保育士が「これなあに?」と聞くたびに子どもたちが元気よく野菜の名前を答えています。また、先日子どもたちが保育園で育てている夏野菜のトマトやきゅうりを収穫しました。水やりなど自分たちでお世話をして、立派に育った野菜をとても誇らしげに給食室まで届けてくれました。今回は、旬を迎える夏野菜のお話をします。
旬の夏野菜を食べるとどんないいことがあるの?
スーパーなど店頭では一年中並んでいる見慣れた野菜が多くあるので、野菜から季節を感じることが少なくなっているかもしれませんが、夏野菜の代表的なものに、きゅうり・なす・ピーマン・トマト・オクラ・とうもろこし・かぼちゃ・枝豆などがあります。旬を迎える野菜はその時期に多く出回るため値段も手ごろなのが魅力ですが、それぞれの地域で、最も適した時期に太陽と大地の恵みを受けて育ったものなので、おいしさや栄養がぎゅっと詰まっているんです。
例えば、トマトに含まれるリコピンという抗酸化成分は、旬の8月が2月の約3倍も多いそうです。さらに、夏野菜には水分やカリウムを豊富に含んでいるものが多く、熱くなった体の熱を逃がしてくれたり、体に溜まった余分な水分を出してむくみを改善してくれるくれるはたらきがあります。また、ビタミンA・ビタミンC・ビタミンEといった、活性酸素の働きを抑える抗酸化作用を持つビタミンを豊富に含む野菜が多いので疲労回復の手助けをしてくれます。
体の熱を逃してくれる夏野菜
トマト、きゅうり、なす、ズッキーニ、冬瓜など
体の余分な水分を出してくれる夏野菜
きゅうり、なす、とうもろこし、冬瓜、レタス、枝豆
※睡眠中のおしっこが心配な場合は、夕食時の摂りすぎは注意してください。
夏野菜を使ったメニュー
夏野菜は彩り鮮やかなものが多く、見た目からも食欲が増進されます。サラダとしてそのまま食べるのももちろんOKですが、夏野菜を使ったメニューをいくつか紹介します。
夏野菜の浅漬け
野菜を調味液で揉みこむので、程よい硬さは残りますが生野菜より柔らかくなり、かさも減るので食べやすくなります。
<分量>4人分
きゅうり 1本
ミニトマト 4個
オクラ 4本
塩 ひとつまみ
砂糖、酢 各小さじ2
白だし 大さじ1
<作り方>
①オクラは茹でて食べやすい大きさに切る。ミニトマトは湯剥きして1/4の大きさに切る。きゅうりは縞模様に皮をむき食べやすい大きさに切る。
②ビニール袋に①の野菜と調味料を入れて手で揉みこむ。
③袋の中の空気を抜き、口をしばり2時間ほど冷蔵庫に入れて漬け込む。
夏野菜カレー
いろいろな夏野菜を一度にたくさんとることができます。カレーにすると食べやすくなります。
<分量>5~6皿分
なす 2本
ズッキーニ 1/2本
トマト 1個
パプリカ 2個
玉ねぎ 1個
豚ひき肉 200g
カレールウ 5~6皿分
<作り方>
①なす、ズッキーニ、トマト、パプリカは2㎝角に切り、ズッキーニは水にさらす。玉ねぎは食べやすい大きさに切る。
②鍋にサラダ油を熱し、豚ひき肉を炒め、豚ひき肉の色が変わったら野菜を加えてしんなりするまで炒める。
③水を入れ沸騰したらアクを取り除き弱火にして野菜が柔らかくなるまで煮る。
④火を止めてカレールウを入れよく溶かす。
⑤再び火にかけ混ぜながら煮込む。
焼きとうもろこし
とうもろこしには糖質が多く含まれ、手軽にエネルギーが補給できるのでおやつにぴったりです。粒の数だけあるというひげを子どもに触らせて一緒に観察したり、皮むきを手伝ってもらうのも楽しいですね。
<分量>2本分
とうもろこし 2本
しょうゆ 小さじ1
<作り方>
①とうもろこしは茹でるか蒸す。
②フライパンでしょうゆを絡ませながら焼く。
ぺんぎん保育園の給食
ぺんぎん保育園の給食も、旬の食材を取り入れたメニューで栄養満点なのはもちろんのこと、食べ物からも季節を感じることができるようになっています。また月に2回のイベント食の日には、行事にちなんだメニューや日本各地の郷土料理メニューなどを提供しています。五感(味覚・視覚・嗅覚・触覚・聴覚)の発達を促すとともに、バランスの取れた食事で子どもたちが保育園で元気に過ごせるような体づくりのお手伝いをしています。