管理栄養士の山内です。立春を過ぎ、卒園・進級のシーズンが近づいてきました。春から保育園に通うお子さんをもつご家庭では、保育園が決まったことに対する安心と同時に、実際に保育園に通うことになった時に「泣かないかな?」「寂しくないかな?」「ご飯をしっかり食べてくれるかな?」など様々な不安もあるのではないでしょうか?
給食に関しては、特に0歳児入園では離乳食の場合もあるので、ご家庭で離乳食が適切に進んでいるかは気になるところだと思います。具体的には、「もぐもぐ、かみかみが少ない(丸のみしている)」、「食べる量が少ない」、「食べものの種類が偏っている」、「ミルクや母乳をよく飲み、離乳食がなかなか進まない」という心配がよくあるようです。そこで、離乳食の進め方を初期、中期、後期、完了期に分けてシリーズで紹介します。今回は離乳食初期編です。
離乳食を始める目安
生後5,6ヵ月になると母乳やミルクだけでは栄養が足りなくなってきます。また、消化器官や口腔機能がある程度発達し、母乳やミルク以外の食べ物を受け入れられる状態になります。この時期に離乳食を始めることで、消化器官や口腔の発達がさらに促されます。離乳食を始める目安として、
- 首のすわりがしっかりしている
- 支えてあげると座ることができる
- 食べ物に興味を示す(家族が食事をする様子を見てよだれが出たり、口を動かしたりするなど)
- 離乳食用スプーンを唇にあてたり口に入れたりした時に嫌がらず、舌で押し出すことが少なくなる
などのサインが現れるようになったら離乳食を始めるのにちょうどいい時期です。
離乳食の進め方
- お子さんの機嫌や健康状態のよい時に始めましょう
- あげるのは午前中の授乳前が適しています
- 最初は1日1回小さじ1杯の裏ごしした10倍がゆから始めて少しずつおかゆの量を増やします
- うんちの状態が変わらず元気でおかゆを3~4さじ食べられるようになったら、すりつぶしてポタージュ状にした野菜も試してみます(固さに迷った時は裏ごしタイプのベビーフードも参考になります)
- ポタージュ状の野菜からヨーグルト状の野菜に慣れてきたら豆腐、白身魚、卵黄などたんぱく質も試していきます(新しい食材を食べるときは赤ちゃん用のスプーン1さじから始めましょう)
おすすめの食材
炭水化物
米(おかゆ)が主な食材ですが、じゃがいも、さつまいもに加えて、6ヵ月頃からはそうめん、うどん、食パンなども使用できます。
ビタミン・ミネラル
かぼちゃ、大根、かぶ、人参、トマト、キャベツ、玉ねぎ、ブロッコリー、りんご、バナナなどえぐみが少なくやわらかくなりやすい野菜や果物がおすすめです。生で食べられる食材でもしっかり火を通してやわらかくしましょう。
タンパク質
豆腐、白身魚、塩抜きしたしらす干し、プレーンヨーグルト、固ゆでした卵黄など
※うどんやパンは小麦製品、ヨーグルトは乳製品でありアレルギーの原因となり得る物質を含みます。またパンには乳成分が含まれることがあります。離乳食初期から使える食材ですがアレルギーの心配がある場合は、離乳食を開始して1ヵ月後以降に試すといいでしょう。
食べさせ方は?
赤ちゃんは上唇を下げて離乳食をはさみとり、唇を閉じて、ゴックンすることを覚えます。離乳食をあげる時は食べ物をのせたスプーンを下唇またはの上にそっとおき、口を閉じるまで待ってスプーンを引き抜きます。ひざに抱っこして赤ちゃんの姿勢を後ろに少し傾けると食べさせやすいです。
離乳初期で大切なことは、まず、食べる(ゴックン)という行動に慣れることです。離乳食の進み方には個人差があるので赤ちゃんの様子を見ながら焦らずすすめましょう。