保育士の池上です。季節の移り変わりを感じるようになった9月。ぺんぎん保育園では秋祭りを行いました。夏にご家族と地域のお祭りに出掛けた子が多く、「保育園でも、早くお祭りしたいな~」と話していました。絵本でお祭りの歴史やお神輿、お囃子について知り、保育園でのお祭りへの期待がだんだん高まっていくのを感じました。今回は子ども達が読んでいた秋祭りの絵本と、お祭りを準備から楽しむ子ども達の様子をご紹介します。
絵本の紹介
秋祭りのお囃子で初めて笛を吹くことになった“さとる”。しかしなかなか上手に吹けません。練習をさぼり遊びに行った裏山で綺麗な泣き声のオオルリに出会い…。全国のお祭りの紹介や歴史、屋台の料理のレシピ等、楽しいお話しと豆知識が載っており、たっぷり楽しむことができる絵本です。
絵本の読みあい
お話は0,1,2歳児の子ども達には少し長く難しい内容でしたが、お祭りらしい絵や雰囲気を楽しみながら絵本を読んでいました。お囃子を奏でるページになると子ども達は、絵の太鼓をたたいたり笛を吹く真似をしたり、まるで絵本の中の登場人物と一緒に演奏しているようでした。
お祭りの準備
お祭りの準備を、園児も職員もみんなで協力して行いました。準備が進むにつれてお祭りのイメージが膨らんでいくようで、「もうすぐお祭りするんだね、楽しみだな~」と話す子ども達の声が聞こえました。普段は個人での製作が多いのですが、お祭りの準備ではお友達と協力して完成させる製作が多くあり、普段とは違った雰囲気で張り切って製作する様子が見られました。
花火製作
夏は家族と一緒に、花火を何度も見た子ども達。「お祭りでは花火が上がるんだよ!」と話していました。保育園のお祭りでも花火を楽しみたい、ということでみんなで花火をつくりました。
それぞれ好きな色の絵の具を選び、花型に切ったストローでスタンプ。全色の絵具を使う子、好きな1色でたくさんスタンプする子、「ど~ん!!」と花火が打ちあがる音を言いながら製作する子など、それぞれの楽しみ方で製作に取り組み、味わいのある花火が完成しました。
完成した花火は団扇にしました。自分の製作した花火が団扇になっていることに驚き、嬉しそうにパタパタと扇いでいた子ども達でした。
わたがし製作
お祭りの屋台に並べるわたがしを、クラスごと役割を分担して製作しました。使用したのは綿とクレヨン。2歳児クラスの子ども達が、クレヨンで描いた紙を綿で擦って着色。色のついた綿を0,1歳児クラスの子ども達が袋詰めしました。
割り箸を付けると「本物のわたがしみたいだ~!!」と嬉しそうな子ども達。カラフルなわたがしが完成しました。
お神輿製作
お神輿は、2歳児クラスが製作しました。紙を千切って遊ぶのがブームの2歳児クラス。お花紙をたくさん千切る作業が楽しかったようで、全員夢中で取り組んでくれました。千切ったお花紙にでんぷん糊を混ぜて、手で段ボールに塗ります。糊を混ぜたお花紙のねっとりとした感触に最初は驚いていた子ども達でしたが、だんだんと不思議な感触が面白くなってきたようで、手をお花紙の中に埋めたり、両手で握ったりして「もちもち、ベトベトする!冷たーい!」とはしゃいでいました。
お神輿の屋根の部分には、千切った黒折り紙を貼りつけました。お花紙と折り紙の、千切る時の音や感触の違いに気づき、「あれ、さっきより固い!大きい音がする!」と話していました。折り紙もでんぷん糊で貼りつけ。 手作りならではの温かみが感じられる、素敵なお神輿が完成しました。
お祭りの様子
お祭り当日、心躍らせながら登園した子ども達。屋台の準備をした保育室に、お神輿を担いで「わっしょい!わっしょい!」と入場しました。お神輿が斜めになったり落としそうになりながらも、友達と協力して担いでいる様子に感動しました。以前から練習してきた盆踊りをノリノリで踊ったら、いよいよ屋台へ出発です。
屋台はヨーヨー屋さん、たこ焼きの玉入れゲーム、わたがし屋さん、ジュース屋さんの4種類。「どのお店に行こうかな~?」と、皆目を輝かせていました。まわる屋台、手に取る商品の色や柄を自分で選べる事が楽しかったようで、全店舗まわった子ども達はニコニコと満足げな表情でした。
全店舗まわった後、屋台でもらったジュースをみんなで飲みました。自分で選んだジュースを飲む楽しさや普段の園生活とは違う特別感に、とっても喜んでくれた様子でした。その後もわたがしを使ってままごと遊びをしたり、ヨーヨーの練習をしたり、お祭りの余韻に浸っていた子ども達でした。ヨーヨーやわたがし、花火柄の団扇は自宅に持ち帰りました。子ども達は自宅でも、お土産を見ながら保護者の方々にお祭りの楽しかった出来事をたくさんお話ししたようです。
保育士のコメント
準備の製作から、お祭りに期待を持って楽しんでくれた子ども達。お友達と協力して1つの製作物を作ると、時には喧嘩になってしまう事がありましたが、完成した時の達成感は大きかったようで、子ども達はいきいきとした表情をしていました。お祭り当日は普段の保育園とは違う雰囲気に心躍らせ、絵本の登場人物と同じように夢中でお祭りを楽しむことができたようでした。
0,1,2歳児のぺんぎん保育園の子ども達にとって、絵本の内容は難しく感じました。ですが実際に秋祭りを行う事で、絵本を読むだけでは感じることのできないお囃子の音、屋台をまわる時や商品を選ぶ時のワクワクした気持ち等、絵本の世界の雰囲気を味わってもらう事ができました。これからも、絵本の世界を五感で楽しむことができるような絵本プログラムを考えていこうと思います。