こんにちは。保育士の佐藤です。8月に入り、夏本番の暑さが続いていますね。園でもプールあそびや水あそびを楽しみながら、子どもたちは元気いっぱいに過ごしています。
この時期は汗をたくさんかき、食欲が落ちやすい季節でもありますが、そんな夏だからこそ“食べること”や“食べ物への興味”を育む活動を大切にしたいと思っています。
そこで7月は、野菜をテーマにした絵本『やさいのおなか』を子どもたちと楽しみました。ページをめくるたびに現れる野菜の断面に、子どもたちも目を輝かせ、想像を膨らませていました。
絵本の紹介

野菜を半分に切った断面が大きく描かれた絵本です。ページをめくるたびに現れる形を見て、「これは何の野菜かな?」と想像しながら楽しむことができます。見慣れた野菜の意外な姿に、思わず夢中になってしまう一冊です。
絵本の読みあいの様子
絵本を開くと、大きな野菜の断面がページいっぱいに広がり、子どもたちは興味津々。まだ「断面=野菜の中身」と理解するのは難しい年齢ですが、保育者が野菜の名前を伝えると「にんじん!」「れんこん!」と手遊び歌で親しんでいる名前に反応し、あとに続いて声に出してくれる子もいました。
断面の形をじっと見つめて不思議そうにする子、にこにこと笑いながら真似して口に出す子など、一人ひとりが自分なりの楽しみ方で絵本の世界に入り込んでいました。読み終わった後も「やさい!」と話題に出し、絵本の余韻を楽しむ姿が印象的でした。
野菜の水やり
園では、ピーマンやナスの苗を植えました。苗植えは職員が行い、その後の水やりは子どもたちにもお手伝いをしてもらいました。ジョウロを持って「じょー!」と水をかけたり、「のんでるかな?」と野菜の様子をのぞき込んだりしながら、毎日のように観察をしお世話をしてくれました。
子どもたちの目の前でたっぷりの水をもらった野菜たちは、ぐんぐんと大きく育ち、青々とした葉を広げ、やがて立派な実をつけました。
野菜の収穫
園で育てたピーマンやナスが大きく実り、いよいよ収穫のときを迎えました。子どもたちは職員に見守られながら、間近で大きく育った野菜をじっくり観察。実際に手に取ると「つるつる」「かたい」と感触を確かめたり、野菜を見つけて「おお!」と声をあげたりして、それぞれが新しい発見を楽しんでいました。
中には恐るおそる触れてみる姿や、香りをかいで不思議そうにする姿もあり、野菜の大きさや形、匂いなどを五感で味わう貴重な体験となりました。
収穫の途中で小さな虫に出会い、びっくりして一歩下がる子の姿もありましたが、それもまた自然とふれあう中での楽しい出来事となりました。
野菜スタンプ遊び

絵本と実物をくらべてみよう
まずは絵本『やさいのおなか』をもう一度開き、描かれている断面と実際の野菜を見比べてみました。保育者が目の前で野菜をカットすると、「うわぁ~!」と自然と声があがります。
前日に収穫して野菜を触っていた経験があったからか、子どもたちは抵抗なく切ったばかりのピーマンやナスを手に取り、感触やにおいを確かめたり、「見てみて~!」と嬉しそうに見せてくれたりしていました。絵本の世界と現実がつながる体験に、子どもたちは夢中になっていました。そんな姿を見ていると、私たち保育者も自然と嬉しい気持ちになりました。
そして次は、この本物の野菜を使ってスタンプあそびに挑戦です!
スタンプ遊び

収穫したピーマンやナスに加え、給食室から分けてもらった玉ねぎやオクラ、チンゲン菜なども使ってスタンプあそびをしました。
野菜に絵の具をつけて「ポン!」と紙に押すと、オクラは小さな星の形、玉ねぎは丸い年輪模様、ピーマンはユニークな輪郭…と、思いがけない形が次々に現れ、子どもたちからは「でたぁ!」「ほしだね!」と声があがりました。
クラスには絵の具が手につくのを少し苦手に感じる子もいましたが、保育者が「こんなにかわいい模様になったよ」と手本を見せると、その楽しそうな様子に「やってみたい」という気持ちが膨らみました。実際にスタンプを押してみると「できた!」と笑顔に変わり、次々にチャレンジする姿が見られました。
野菜ごとに違う模様を発見しながら、色を重ねたり並べたりすることで、子どもたちは夢中になってスタンプあそびを楽しんでいました。
シールを貼ってお魚に!
野菜スタンプは、カラフルなお魚型の色画用紙にスタンピングしました。そのあと、お目目のシールを貼ったらかわいいお魚さんの完成です。
剥離紙からシールをはがすと、右手や左手にぺたぺたとくっつきながらも、子どもたちは指先を一生懸命に動かして自分で貼りつけていました。「ここかな?」「できた!」と夢中で取り組む姿が、とても微笑ましかったです。
壁面を泳ぐお魚たち

完成したお魚たちは、保育室の壁面に飾りました。カラフルな模様の魚が並ぶと、まるで水の中を泳いでいるよう。子どもたちも指をさして「○○ちゃんの!」と嬉しそうに眺めていました。
保育士のコメント

普段は「食べる」だけの野菜も、見る・触れる・押すといった感覚を通して遊ぶことで、五感をたっぷり使った楽しい体験になります。お家でも、身近な食材に目を向けながら「これはどんな形をしているのかな?」とぜひ親子で観察してみてください。