保育士の池上です。食べ物が描かれている絵本を読んでいると、食べたくなることがありますよね。ぺんぎん保育園では11月、パンが登場する絵本を何冊か用意して読みました。子ども達も「このパン美味しそうだな~、食べてみたいな~」と話していました。子ども達の食べてみたい気持ちに応えるため、11月の絵本プログラムではパン作りに挑戦しました。今回は、子ども達が特に気に入って読んでいた絵本『ねずみさんのながいパン』と、パン作りに挑戦した様子をご紹介します。
絵本の紹介
ねずみさんがながいパンを持って、とっとことっとこ走っていきます。どこに行くのかな?このお家かな?と思っていると…あっ、ちがった。ねずみさんが通り過ぎる様々な動物たちのお家では、テーブルにご馳走を並べ家族そろって食事をしています。ねずみさんの行先も気になりますが、動物たちがどんなご馳走を食べているのかも気になりワクワクします。少しドキッとする場面もありますが、動物たちの食事風景が微笑ましい、2歳前後の子が楽しめる絵本です。
絵本の読みあい
「ねずみさん、そのお家は違うよ~」とねずみさんに声をかけたり、描かれている料理をつまんで食べる真似をしたりしながら、絵本を楽しんでいました。パン作りの直前にも絵本を読むと、「どんなパンを作ろうかな?」「ねずみさんみたいに大きいパンにできるかな?」とクッキングのイメージが広がっていきました。
パンづくりに挑戦
パン作り当日は、子ども達も保育者も朝からドキドキワクワク。手を洗いエプロンとバンダナを身につけて、準備万端です。
材料紹介
まずは材料の紹介。「この粉とあっちの粉、色がちょっと違うね!」「甘い匂いがするね!」等、五感を研ぎすませて材料を観察していました。粉や液状の材料を見て「これがパンになるの?どうやって?」と不思議そうに話す子もいました。
今回使用した材料、作り方をご紹介します。
〈材料〉
・米粉200g
・ベーキングパウダー小さじ1
・塩小さじ1/2
・砂糖大さじ2
・サラダ油大さじ2
・豆乳240ml
〈作り方〉
①炊飯器の内釜に米粉、ベーキングパウダー、塩、砂糖を入れて混ぜる。
②別のボウルにサラダ油、豆乳を入れて混ぜる。
➂①に②を加えてよく混ぜる。
④炊飯器の白米モードで炊飯。約1時間半焼く。
⑤焼けたら容器から取り出し、冷まして完成。
いよいよパン作り
子ども達は材料をヘラで混ぜる作業に挑戦しました。粉を混ぜる時は飛んでしまわないようにそーっと、豆乳などの液を混ぜる時はこぼれないにゆっくり、粉と液を混ぜあわせると時はだんだん固く重くなるヘラに驚きながら、ボールを押さえて力強く。材料や混ぜ具合によって変化する手触りを感じながら、一生懸命に混ぜてくれました。
炊飯器でパンを焼きます
混ぜ終わった生地は、炊飯器で焼きます。炊飯器に向かって「頑張ってねー!!」「美味しいパンにしてねー!」と声をかける姿や、焼き終わるまで炊飯器の前に並んでじーっと待っている姿など、子ども達の可愛らしい様子を見ることができました。
いただきま~す!
パンが焼きあがると、保育室に美味しそうな匂いが広がりました。焼きたてのパンを、給食の時間にみんなで食べました。「ねずみさんみたいに、大きいパンができたね!」「頑張って混ぜたから美味しくなったね!」と、自分たちで作ったパンの完成を喜びながら笑顔で食べていた子ども達でした。
保育士のコメント
ぺんぎん保育園では以前、おにぎり作りやホットケーキ作りに挑戦しました。ですが、子ども達がみんなで一緒に作った物を食べるところまで経験する取り組みは、今回が初めてでした。
パン作りは絵本プログラムの一環として行ったのですが、食育にもなったと感じています。自分で作った物を食べる事は、子どもにとって心に残る楽しい経験だと思います。実際に、普段はパンが苦手で食べない子が、今回のパン作りにノリノリで参加してくれて、パンが完成すると「美味しい!」と喜んで食べてくれました。
材料に触れる、材料が変化していく様子を見る、みんなで協力して作る、自分でつくった物を食べる、絵本に登場するものを実際に食べるなど、普段の保育ではできない貴重な経験を子ども達に楽しんでもらうことができました。子ども達が作って食べる“クッキング保育”には、衛生や材料など配慮すべき点が多くありますが、今後も様々なクッキング保育を企画し挑戦していこうと思います。