管理栄養士の山内です。保育園まで自転車で向かう途中に空を見上げると、5月らしいよく晴れた空が広がっていて清々しい気分になります。梅雨入りする前に子ども達にはお散歩や公園遊びをたくさん楽しんでもらいたいと思います。
さて、シリーズで紹介している離乳食の進め方ですが、今回は離乳食完了期編です。
離乳食後期から完了期に移行する目安
離乳食完了期は1日3回の食事リズムを大切にしながら、必要なエネルギーや栄養素の大半を食事からとれるようになっていきます。離乳食後期から完了期に移行する目安として、
- 食べる意欲がみられる
- 食べ物を前歯で噛んだりかじり取ったりして食べられる(バナナくらいの固さの食材をしっかりカミカミできる)
- 唇を前後左右上下に動かして食べる
- 手づかみ食べが上手になりスプーンやフォークに興味を持つようになる
などがポイントになります。
離乳食の進め方
- おやつは食事だけではとりきれない栄養素等を補うためのものです。3回の食事がしっかりと食べられるようになってから1日1~2回、時間を決め、食事に影響しない量にしましょう。果物、いも類、乳製品、乳幼児用ビスケット・せんべいなどとフォローアップミルクや麦茶等の飲み物を一緒にあげるのがおすすめです。
- 暑いときや汗をたくさんかいたときには、食事やおやつの合間の水分の補給に配慮しましょう。
おすすめの食材
ほとんどの食材が食べられるようになってきますが、大人の食事から取り分けて作る時は味が濃くならないようにうす味を心がけます。塩分や脂質が多い食材は避けましょう。
炭水化物
食べやすく調理すれば、ほとんどの穀類・いも類はOK。おかゆでなくても軟飯ややわらかめのご飯が食べられるようになる子もいます。
ビタミン・ミネラル
やわらかくすれば、ほとんどの野菜、果物がOK。細かく刻めばきのこ類も食べられるようになります。
タンパク質
アジやイワシなどの青魚もOKです。エビやイカは弾力があってかたいので食べにくい食材です。ハムやウインナーなど加工品を与える場合は添加物や塩分の少ないものを選びましょう。
牛乳はいつから飲ませていいの?
厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」の中で、“牛乳を飲用として与える場合は、鉄欠乏性貧血の予防の観点から、1歳を過ぎてからが望ましい”とあります。
栄養豊富な牛乳は赤ちゃんには腸や腎臓への負担となりますので、飲用として与える場合は1歳以降からにしましょう。パンがゆやシチューなど調理用として、少量の牛乳から慣らしていきましょう。
与えるときには少量からスタートし、おなかがゆるくなったり、下痢をしたりしなければ量を増やしていきます。温度は、最初の数回は人肌くらいに温めたものから与え、室温くらいに戻したもので問題がなければ冷たいものへと、ステップアップします。
食前にたくさん飲むと食欲が落ちて食事が進まなくなることがあるので飲ませるタイミングに気をつけましょう。
食べさせ方は?
スプーンやフォーク、コップを使って、赤ちゃんが自分で食べたり飲んだりしたがる時期ですが、まだ上手く使うことができないので手づかみ食べが主となります。手づかみ食べを経験することで大きさや形、どのくらいの力で握ればよいかを覚えていきます。
手でつまめる程度の小さなおにぎりややわらかく茹でたスティック状の野菜などが、この時期にはピッタリです。かみごたえのあるメニューも取り入れてみましょう。
テーブルや椅子、床が汚れてもいいように食事の環境を考えてみましょう。赤ちゃんが手づかみできるものも取り入れながら食べたいという気持ちを応援してあげましょう。
また、離乳完了期ごろの1歳〜1歳6ヵ月頃の赤ちゃんは、ベビーチェアやベビーラックなどにじっと座っていられなくなる子も増えてきます。床にしっかりと足がつくような安定した姿勢でイスに座らせることで、離乳食を食べる事に集中できるようにしましょう。食事の時間は座って食べるということをしっかりと伝えられるといいですね。